【日本年金機構を装う詐欺メール】「保険料過納分23,840円の還付のお知らせ」に注意!SPF・DKIM・DMARCがPASSでも危険
2026年11月5日、日本年金機構を名乗り、「【還付通知】保険料過納分 ¥23,840 の還付のお知らせ」という件名の不審なメールが確認されました。
メールでは、国民年金保険料を多く納付していたとして、23,840円の還付金を受け取れると案内しています。
さらに「還付金のお受取りへ」というボタンを設置し、受信者に手続きを促しています。
今回のメールで特に注意したいのは、SPF・DKIM・DMARCのメール認証がすべてPASSとなっている点です。
しかし、認証されたドメインは「mass.hgbhn.com」であり、日本年金機構の公式ドメインではありません。
メール認証がPASSでも、送信者が日本年金機構であると証明されたわけではありません。今回のメールはフィッシング詐欺の疑いが非常に強い内容です。
実際に確認された不審メールの画像

2026年11月5日に確認された日本年金機構を装う不審メール
不審メールの基本情報
| 受信日時 | 2026年11月5日(木)08:21 |
|---|---|
| 件名 | 【還付通知】保険料過納分 ¥23,840 の還付のお知らせ |
| 表示された送信者 | 日本年金機構 |
| 送信元アドレス | noreply@mass.hgbhn.com |
| 還付金額 | 23,840円 |
| 対象期間 | 令和6年4月~7月分 |
| 記載された締切日 | 令和9年1月31日(土) |
| 誘導ボタン | 還付金のお受取りへ |
| 添付ファイル1 | logo.png(2KB) |
| 添付ファイル2 | 7FTiO.mg(36B) |
| SPF | PASS |
| DKIM | PASS |
| DMARC | PASS |
※上記は受信メールとメール認証情報に基づく記録です。還付金の存在や受取資格が確認されたものではありません。
実際のメール本文(全文)
件名:【還付通知】保険料過納分 ¥23,840 の還付のお知らせ
【還付手続き】
国民年金 過納保険料の還付手続きのご案内
お客様の保険料の納付状況につきまして確認を行いましたところ、一部期間において保険料を多くお納めいただいていたことが判明いたしました。多く納められた分の保険料をお返しいたします。
返還金額
¥23,840
(令和6年4月~7月分 超過納付相当額)
還付金はご届出の口座にお振込みいたします。口座に変更がある場合はお手続き時にご更新ください。
手続き締切日:令和9年1月31日(土)
この期日を過ぎた場合、還付金の受取権が消滅いたしますので、お早めにお手続きください。
日本年金機構アプリのご利用について
※既にアプリをお持ちの方は、アプリを起動し、メッセージボックスよりお手続きください。
※アプリをお持ちでない方は、下記ボタンよりお手続きをお願いいたします。
【還付金のお受取りへ】
日本年金機構 ねんきんダイヤル 0570-05-1165
〒168-8505 東京都杉並区高井戸西3-5-24
※本メールは送信専用です。ご返信いただいてもお答えできません。
※上記は受信画像から読み取れたメール本文です。メール内のボタンの実際のリンク先は、この画像からは確認できません。
メール認証情報|SPF・DKIM・DMARCがすべてPASS
今回のメールでは、次の認証結果が確認されています。
| 認証方式 | 結果 | 詳細 |
|---|---|---|
| SPF | PASS | IP:20.150.151.20 ドメイン:mass.hgbhn.com |
| DKIM | PASS | ドメイン:mass.hgbhn.com |
| DMARC | PASS | ドメイン:mass.hgbhn.com |
3つの認証がすべてPASSでも、メール本文の内容が正しいことや、日本年金機構から送信されたことが保証されるわけではありません。
SPFとは?
SPFは、メールを送信したサーバーが、対象ドメインからの送信を許可されているか確認する仕組みです。
今回のSPF認証は、IPアドレス「20.150.151.20」から「mass.hgbhn.com」のドメインを使った送信が認証条件を満たしたことを示しています。
ただし、日本年金機構が送信を許可したことを意味するものではありません。
DKIMとは?
DKIMは、メールに付けられた電子署名を検証する仕組みです。
今回のDKIM認証は「mass.hgbhn.com」のドメインでPASSとなっています。
これは署名の検証に成功したことを示しますが、メール本文に書かれた日本年金機構という名称が本物であることを保証しません。
DMARCとは?
DMARCは、送信者として表示されるドメインと、SPFやDKIMで認証されたドメインとの整合性を確認する仕組みです。
今回のDMARCも「mass.hgbhn.com」でPASSとなっています。
しかし、表示名に「日本年金機構」と記載されていることと、そのドメインが日本年金機構の所有物であることは別問題です。
なぜ認証がPASSでも詐欺メールを送れるのか?
第三者が自分で管理するドメインにSPF・DKIM・DMARCを正しく設定すれば、そのドメインから送信したメールは認証に成功することがあります。
そのうえで、メールの表示名に実在する企業や公的機関の名称を設定することも可能です。
つまり、メール認証は送信ドメインの技術的な検証であり、本文に記載された組織名や還付金の正当性を証明する仕組みではありません。
今回のメールがフィッシング詐欺と疑われる理由
1.日本年金機構の公式ドメインではない
今回の送信元は次のとおりです。
noreply@mass.hgbhn.com
日本年金機構の公式サイトは「nenkin.go.jp」です。
今回の送信元は公式ドメインとは異なり、正規の日本年金機構からの案内であることを確認できません。
2.23,840円の還付金を強調
メールでは、国民年金保険料を多く納めていたとして、23,840円の還付を案内しています。
具体的な金額を提示することで、受信者に本物の還付通知だと思わせる狙いが疑われます。
3.締切日の曜日が間違っている
メールには次のように記載されています。
令和9年1月31日(土)
しかし、2027年1月31日は日曜日です。
日付と曜日が一致していないことも不審な点の一つです。
4.還付金の受取権が消滅すると不安をあおる
メールには、期限を過ぎると還付金の受取権が消滅すると記載されています。
還付金を受け取れなくなるという不安を利用し、十分に確認する前に手続きを進めさせようとしている可能性があります。
5.日本年金機構のロゴや連絡先を使用
メールには、日本年金機構のロゴや、ねんきんダイヤル、所在地が記載されています。
しかし、実在する組織のロゴや連絡先は第三者でもコピーできます。
ロゴや住所が正しく表示されているだけで、メールが本物であるとは判断できません。
6.不審な添付ファイルがある
今回のメールには、次の2つのファイルが添付されています。
- logo.png(2KB)
- 7FTiO.mg(36B)
logo.pngはロゴ画像とみられますが、7FTiO.mgについては用途や安全性が確認できません。
不審な添付ファイルは開かないでください。
2026年11月4日にも同じ23,840円の還付メールを確認
今回のメールと同じく、日本年金機構を名乗り、23,840円の還付金を案内する不審メールが2026年11月4日にも確認されています。
両者は還付金額や対象期間、締切日などがほぼ一致しています。
| 比較項目 | 11月4日の事例 | 11月5日の事例 |
|---|---|---|
| 件名 | 保険料過納分23,840円の還付のお知らせ | 保険料過納分23,840円の還付のお知らせ |
| 送信元 | no-reply@deals.cqzpn.com | noreply@mass.hgbhn.com |
| 還付金額 | 23,840円 | 23,840円 |
| 対象期間 | 令和6年4月~7月 | 令和6年4月~7月 |
| 締切日 | 令和9年1月31日 | 令和9年1月31日 |
| 添付ファイル | mm7spsH8.qbkb | logo.png、7FTiO.mg |
送信元アドレスや添付ファイルを変更しながら、類似した内容のメールが送信されている可能性があります。
ただし、これらのメールが同一の送信者によるものかどうかは確認できません。
日本年金機構の公式注意喚起
日本年金機構は、同機構を装った不審なメールやSMSについて公式サイトで注意喚起しています。
日本年金機構の名称やロゴを使い、偽サイトへ誘導する手口には十分注意してください。
還付金について確認したい場合は、メール内のリンクを利用せず、日本年金機構の公式サイトや年金事務所に直接お問い合わせください。
不審メールを受信した場合の対処法
- 「還付金のお受取りへ」をクリックしない
- 不審な添付ファイルを開かない
- 銀行口座番号や暗証番号を入力しない
- 基礎年金番号やマイナンバーを入力しない
- 本人確認書類の画像を送信しない
- 不審なアプリをインストールしない
- 還付金の有無は日本年金機構の公式窓口で確認する
すでにリンクをクリックした場合
リンクを開いただけの場合
個人情報を入力していなければ、まずページを閉じてください。
不審なファイルのダウンロードやアプリのインストールが行われていないか確認してください。
銀行口座情報を入力した場合
速やかに金融機関へ連絡し、不正利用防止のために必要な対応を相談してください。
個人情報や年金情報を入力した場合
日本年金機構の公式窓口へ相談し、必要に応じて警察の相談窓口などにも連絡してください。
よくある質問(FAQ)
Q.SPF・DKIM・DMARCがすべてPASSなら安全ですか?
A.いいえ。認証がPASSでも、メールに記載された企業名や公的機関名が本物であるとは限りません。今回のように、公式ではないドメインから送られたメールでも認証に成功する場合があります。
Q.日本年金機構から還付金の案内が届くことはありますか?
A.実際に保険料の過納付があった場合、還付の案内が行われることはあります。ただし、今回のメールが正規の案内であることは確認できません。
Q.23,840円という具体的な金額があるので本物ではありませんか?
A.いいえ。具体的な金額は偽メールにも記載できます。金額だけで正規の通知と判断しないでください。
Q.日本年金機構のロゴがあるので信用できますか?
A.いいえ。ロゴや住所、電話番号は第三者でもコピーできます。公式窓口で確認することが重要です。
Q.添付ファイルを開いても大丈夫ですか?
A.安全性が確認できないため、開かないでください。特に用途が不明なファイルは注意が必要です。
Q.本当に還付金があるか確認する方法は?
A.日本年金機構の公式サイトや年金事務所、ねんきんダイヤルなどの正規窓口で確認してください。メール内のリンクは使用しないでください。
まとめ|メール認証がPASSでも日本年金機構の偽メールに注意
2026年11月5日に確認された今回のメールは、日本年金機構を装い、23,840円の還付金を案内する内容でした。
送信元は「noreply@mass.hgbhn.com」で、SPF・DKIM・DMARCの認証結果はすべてPASSとなっています。
しかし、認証されたドメインは日本年金機構の公式ドメインではありません。
また、2026年11月4日にも同じ金額や対象期間を使用した類似メールが確認されています。
SPF・DKIM・DMARCがPASSであっても、メールが安全とは限りません。還付金の案内が届いた場合は、メール内のリンクから手続きせず、必ず日本年金機構の公式窓口で確認してください。
詐欺被害ナビ編集部より
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